| このスレッドが早く終わった方が助かる人もいるだろうから、徒然なるままに書きましょう。徒然の用法あってるかしら、不安。
「事実と主張は分けて書く」という鉄則が技術関係の文書にはある。当たり前だのクラッカー、どこまでが事実の報告で、どこからが作成者の仮説・意見なのか分からない文書なぞ、誰にもまともに扱ってすらもらえないでしょう。
それにもかかわらず、自分の仮説や意見をさも事実のように書いたり、事実にこれらを紛れ込ませたりする実例が山ほどある。小説やエッセイならいいけれど、技術関係の文書では、行ってはいけない行為である。
これは、技術関係というより、科学に関する全てに当てはまる。では、「事実と主張の区別」ってなんだ。私は意見という言葉よりも主張という言葉を使用する方が適切だと思っているのだが、「理科系の作文技術」という本の中では「事実と意見」としている。
「理科系の作文技術」というのは、理系、文系の垣根を越えて多くの大学の先生から支持されてる本です。私も就職後に読みました。 手元にある本でも49版目ですから、現在はもっと凄い版数になっていると思います。
この本の序章に次のような文章があります。
事実と意見の区別
仕事の文書を書くときには、事実と意見(判断)との区別を明確にすることがとくに重要である。これは、何でもなさそうに見えるが実はそれほど容易なことではない。
たとえば、
近頃の学生は整った文章を書く能力がないという声をよく聞くが、私はこれは主に理科系の学生に関していわれていることだと思う。理科系の学生がきちんとした文章を書けないことにふしぎはない。彼らの本領は文学ではないからだ。
という文章では、第1文で意見として書かれていることが、第2文では事実として扱われている。技術報告や科学論文のなかでこの種のスリカエがおこなわれると、理論の組立てがぐらぐらになってしまう。不当な結論がみちびきだされることも稀でない。
木下是雄著 「理科系の作文技術」中公新書 pp7
素晴らし本です。読んで損はありません。
|