![](./icon/rob6.gif) | このメードを紹介してくれた人に電話し、高血圧症では仕事は続けられないだろうから、解雇したい旨と、家の鍵、それから他に頼んでおいた案件の結果を持参するよう連絡した。
次の日、メードがやって来た。
開口一番「私は心臓が肥大してて、仕事が続けられない。どうぞ他のメードを雇っていいですよ」と言うような内容の、RとLの強いスラング英語で私に言った。
あきれ果ててしまった。これほど私の家の財政にぶらさがっておきながら、メードの口から「他のメードを雇ってもいい」なんてどうして言えるのか、・・・と。
まだある。私が日本から持ってきたTシャツ、Yシャツをメードが「私がフリーマーケットで売ってあげる」と言い出したので、「じゃー、売上の30パーセントを君に上げるよ」と言う約束だった。しかし・・・。
今日持参した時には何のメモもなく、「あー、あれは1枚60Pで売った、えー、あれは生地が良かったから1枚100Pで売った」と言うように、大した記憶力でもないのに、思い出しながら(思い出すフリをしながら)わかりにくい文字で書き出していた。
「ほんとにこれだけ?」と総計にかかろうとしたら、あ、あれが2枚あった、と後から言い出すなど、不確かな計算であった。
売上金は、彼女が言うには総計22枚で、1060Pと言うことだった。で、持参した金は1020P。私の財布より質のいい財布はカラになっていた。私の記憶では、総数30枚は超えていたはずだ。私は「もういいから500P上げる」と言って終わりにした。お金を持ってくるだけマシと考えたのだ。
閑話休題
私が移住してきたのは今年の4月である。セブに住む友人から、この家探しを手伝いしてもらった後は、つい最近まで私が一人で生活してきた。既にこちらで生活されている方で、奥様をお持ちの方は、この国のしきたりを充分ご承知だろうから、私の様な問題は少ないと思われる。これでも私はこの国の勉強はしてきたつもりであった。しかし、毎日の生活を共にしていると、私の方が日本を背負って物事を考えていることを忘れてしまうのである。
メードと私らのような雇う側には明確な立場をもって生活しなければならない、という常識が、なかなか日本を背負っている人間には肌で感じられないのである。日本式に、メードも家族の一員として、な〜んて事は通用しないのである。厳しく接すれば、ああ、この主人は厳しい人だ、優しく接すればこの主人は甘い人だ、で終わりなのである。
ただし、メードも一人の人間であるから基本的な人権は尊重しなければならないことは、どこの国に行っても同じ事ではあるが。
解雇したメードは54歳であり、通いであり、夫もいるし子供も孫もいる。今回はお金の問題だけで済んだが、これが、住み込みで若いPnaを、独身の日本人が雇ったら、色々な事件に発生すること請け合いである。
それだけ日本人にはうまみがあるのである。
情報・・・私が日本にいるときに、もし、メードを雇う場合の契約書をどうするか、ということで、無い頭を絞り、日本語で作成し、翻訳者に金払って作った契約書がある。必要な方は直メールを!
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