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No26570 の記事


■26570 / )  Re[38]: スタンバイ ブルース
□投稿者/ マテナ ベテラン(202回)-(2005/11/17(Thu) 17:32:48)
http://ppp.daa.jp/hiro/bbs/bbs.cgi?H
    2005/11/18(Fri) 07:25:57 編集(投稿者)

    No26561に返信(ヒロさんの記事)

    ヒロさんのようにいろいろな経験をなさっている大先輩にわての考えなんぞが役に立つとは思えまへんが、仕事とプライベートでとにかくたくさんのフィリピン人を使って来てますので、その中で失敗した回数だけはヒロさんよりは多いと思います。ですからその失敗の中で学んだ事を中心に少し書いて見ますわ。

    >    村崎さんみたいになれるかな?

    村崎さんは群れからはなれたサルを相手にしてはるのですから、ある意味ではわれわれよりは簡単のはずです。やらせている芸自体が難しいのとちゃいますやろか。

    日本の場合は人間相手でも常に相手に110%以上の目標を期待して100%以上の成果を求めますが、サル回しの場合も同じ芸だけでは飽きられるでしょうから、彼はそれをサルに対してもやらなければならないはずです。その事ではきっと非常に大変な思いをされていると想像できます。

    日本人は右肩上がりの成長の中で成功を治めて来てますので、一旦110%まで上がった成果が100以下に下がるとすぐに不満を言わなければならないような社会で皆にその癖がついていますが、フィリピンでは成長のために必要な条件等と言うのは国家元首でさえわかっているかどうか怪しいような国ですから、それを月5000ペソで働く人達に期待する方が無理だと思うのです。

    私はフィリピンでははなから多くを期待せず90%を期待してそれ以上出来たら誉めてやり、誉める事で100%以上やるようになったら、それをもっと誉めてやる事が大切だと思うています。

    ただ、誉めると調子に乗って、「そんなに俺の仕事の評価が高いなら給料上げろ」とか「これだけやると誉められるならもう少し手抜こう。どうせ給料安いんだから。」とか考えるやつがおるので、そういう調子に乗りすぎるやつは誉めるのはたまにだけにして、そのかわり相手がどの程度の仕事をやっているかこちらがちゃんと見ているんやで〜、という事をわからせる事が必要だと思います。

    日本では一旦教え込んでうまく流れ始めたら相手に任せ次の段階に進みますが、こちらでは手綱を緩めたとたんに出来ていた事が出来なくなります。 見られていなければ、評価されていなければやっても同じ、と考えるからです。
    ですからこちらにしてみれば90%の不十分な内容でもそれを認めてあげないと、彼らの目標は80%、70%とどんどん下がってしまう事が多いのです。

    日本人と違い、仕事を持っている人間が仕事を持たない家族達を扶養しなければならない環境では、自分が頑張って這い上がろうと言う気持ちは育ちにくくなりますので「そんなつらい思いをする位ならスタンバイになって家族の世話になった方がええわ」となってしまいます。

    彼らは今しか考えられないのです。一生懸命努力して信頼を積み重ねて得た給料は扶養者を増やし、援助を求めてくる親戚の数を増やすだけなのですから。

    よく日本から来た駐在員が手間がかかりすぎるフィリピン人にいらいらして「おまえら将来の事をもっと考えろ」と簡単に言っている人がいますが、彼らが将来の事を本気で考えたら難しい問題が多すぎて気が滅入ってしまい、自殺に追い込まれかねません。

    先の事を考えるとどうしようもない不安だらけの環境なのですから、先の事を考える癖などつくはずもないのです。

    ですからえさは簡単に与えすぎると仕事をしなくなりますし、与えすぎなくても動かなくなります。
    出来る限り控えめにかつ必要に応じて待遇を上げる事も大切ですが、それ以上に見られているということをわからせる事が大切だと思います。

    あと、非常に面倒ですが、相手が家族などの事で困っていてる時には耳を貸してあげることが大切です。悩みがありそうだからといってわざわざこちらから聞く必要は無いと思いますが、相手が言ってきたらまず聞いてあげた方が良いと思います。

    大抵は経済的な援助を申し出てくる場合がほとんどですので、話を聞いてあげて、援助できない時はどうして援助出来ないのかの理由を付けてあげる事が大切です。あとの事にも影響しますのでむやみに援助するべきではないと思いますが、人の命に関わるようなあまりにも深刻で繰り返しになる可能性が無い場合は何らかの形で最低限の援助をしてあげるべきだと思います。(私の場合は生命に関わる場合と教育に関わる場合で他の方法が見つけて上げられない場合以外は一切援助しません。)

    出来るだけ過度の依存心が育たないように、相手から話を聞いた上でどうして欲しいのかを言わせ、大抵は全く浅はかな考えしか持っていない場合が多いので、それに対し「それはこれこれこうゆう理由でできないけど、こういう風にしてみたらどうだろうか」とこちらが出来る援助方法を提案し誘導します。

    そして、断る時にはしっかりした理由を付けてあげるのが一番ですが、フィリピンでは理由に理屈が通っていなくてもあまり気にされないように感じます。
    大切なのは援助してあげたい気持ちがこちらにある。と言う意思表示をする事のように感じます。 

    フィリピン特有の表面的なプライドや良い訳が許される文化はこうゆう場面では良い方に働きます。
     
    日本と違い「何だかんだいってあいつは出さなかった」とは考えず、相手は助けようとしてくれているが今回は理由があって出来なかった、次回は助けてくれるかもしれない。敵ではなく味方なんだ。
    と言うふうに考える事が多いようです。

    余裕のない人同士が助け合って生きていますので、援助を申し出て断られる事にもなれています。
    逆に言えば、断られるのを承知でだめ元で言ってきている場合が多いのです。

    それと、あまり安易に援助を申し出るといざと言う時に助けてもらえなくなると感じさせる事も重要です。

    全面的に資金提供するのではなく、給料から天引きにしたり、「仕事の内容が良いので給料上げようと思ってんだけど、予算の都合もあるから援助してあげる代わりに昇給は少し先延ばしにさせてね。」などと、いう台詞をとっさに付けられるかどうかで、その後の相手の対応が変わる場合が多いようです。

    また、断る時なども例えば、「私はあなたの親戚を助けて上げれらない事がとても辛くて貴方に申し訳ない思いでいっぱいだ。」というような言い方で援助できない事を申し訳なく思っている事をきちんと伝えると、相手は次には安易に言い出さなくなります。 それでも平気で繰り返し言ってくる相手の場合は、「あまり年中言われると、こちらも辛いので、貴方の顔を見るのが心苦しくなる」とやんわり相手と自分の関係に距離が出来始めている事を伝えてあげれば、気がつく場合も多いようです。

    賃金が安いのにはそれなりに理由があるというのが私の考えです。手間がかかるのは仕方のない事と考えるようにしています。

    得意の知ったかぶりでいろいろ書きましたが、要はけっして手綱を緩めない。期待と信頼はしても日本のような感覚で信用はしない。と言うのが非常に重要な基本だと思っています。

    次郎がいくら言うことを聞くといっても紐をはすして芸はさせていないということと関係があるのかもしれません。


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