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No26627 の記事


■26627 / )  Re[41]: スタンバイ ブルース
□投稿者/ マテナ ベテラン(203回)-(2005/11/18(Fri) 10:19:00)
http://ppp.daa.jp/hiro/bbs/bbs.cgi?H
    No26606に返信(GENANAさんの記事)

    私も、6年間ほど自分が住んでいた地域の貧困家庭の子供達を対象にした奨学金を延べ30人くらいに支給管理していた経験がありますが、彼らはお金のありがたみやお金を稼ぐ事の大変さを知りませんので奨学金をただ渡しても、どこかのお金持ちがお金を出してくれる、と言う事位の認識しかありません。
    ですからちょっとした苦労を乗り越えられず、かえって悪い友人に引きずり込まれたりして悪い方向に進む事もあります。

    ですから、これも、使用人の時と同じように目を離さず手綱を緩めない事が必要になってしますのです。
    と言っても、学費の補助の場合は使用人と違って始終見ているわけには行きませんので、出来る事は限られます。

    まず最低限、成績表は必ず持ってこさせ出席状況を含めレベルをチェックする必要があるように思います。
    (ただ、日本からの援助の場合は現地でそれを代行してくれる人、または情報を転送してくれる人が必要ですし、FAXで書類を送らせる場合は簡単に偽造できますので、来比した時に確認が必要になると思いますが。)

    当然成績が落ちた場合は、相手に理由を説明させ、対策を考えてあげる。
    上がった場合は誉めると同時に、相手が目標となるような夢に繋がるような話を冗談でも良いのでしてあげる。

    例えば数学が良ければ「将来はビジネスを成功させてお母さんを助けてあげらるように、なると良いね」みたいな簡単な話をするだけでも効果があることがあるようです。

    しかしこれも日本の常識では考えられない事ですが、特に公立では先生が非常にレベルが低いので、学期末に成績表が渡されず、次のセミスターが始まってからようやく出てくるなんて事も珍しくありません。
    最近は日本でも同じような事があるらしいですが成績表を先生が紛失したと言う事も実際に私の管理下にある奨学生でありました。

    最初は成績表を見せたくない生徒の狂言と思いましたが本当にそういう事が年中有りあきれてしまいました。

    また、実際にあった話ですが、高校の奨学金の選考面接の時に医者になりたいと言っていた子供が不良に誘い込まれついには学校に行かずシンナー(セブではラグビーと呼ばれるボンド)を吸って補導されてしまいました。

    当然、奨学金を打ち切る事も考えたのですが、とりあえず会って話をしてみると、
    初めて親と離れ離れになって学校に通っている彼の環境。
    借りているアパートに平気で他の人間が入り込んできやすい環境。
    授業料以外に支払いが発生するプロジェクトと呼ばれる奨学金でカバーしていない部分の支払いが出来ない為授業に出れず、同じように経済的な問題で授業に出れない不良と一緒に行動をするようになった経緯。
    途中で不良達と付き合う事の危険を感じたがあしらい方がわからなかった。
     
    など、日本人には想像がつきにくい部分で問題が発生していた事を知り、急遽知り合いの教師に頼みそこの家でスクールボーイ(住み込みで手伝いをしながら学校に通う)にしてもらい、彼を不良から切り離し、学業が出来る環境にもどす事が出来ました。

    その事件から6年ほど経ちますが、その後彼は優秀な成績で高校を卒業し、本当に医大に通えるまでになり、夢にむかい勉強を続けています。

    この事件をきっかけに奨学生達の実態調査をした所、

    授業に行かずサボっている。
    奨学金でまかなえない部分の費用を捻出する為、食事を抜いている。
    ボーディングハウスメイトの素行不良(他の生徒が学校に行っている間に男を連れ込む)
    内緒でアルバイトをする。
    売春に巻き込まれそうになる。
    周りがうるさい事もあって勉強が出来ない。
    ボーディングハウスが暑くて寝れない。
    お金が無いはずなのにセルホンを持っていて始終TEXをやり取りしている。

    等の問題が確認されました。

    これらの事から奨学金だけを出せば無事に学校生活が送れると考えていたこちらにも反省すべき事があることを勉強させられました。

    次の年からは、奨学生を選考するときに親を一緒に呼び、親が子供が学校に通う為に親がどこまで協力するつもりがあるのか、親の意思を確認し、その親の経済状況にあわせ、援助の範囲を決めると共に、生徒には貴方を学校に通わせる為には親も含め多くの人の苦労があって出来る事である事を告げると共に、出席不良や成績不良があり、改善されない場合は奨学金を打ち切ると言う事をはっきりわからせるようにしました。

    フィリピンでは何事もお金で解決できると言われる事が多いですが、もちろんそういう部分もたくさん有りますが、特にこのような問題は、逆に日本のようにお金で全てが解決しにくいので、とにかく何をするにも自分でやろうとしたら手間がかかります。

    心が通う付き合いをしようと思ったら、日本の何倍も手間がかかる事が多いように思います。

    使用人の話もそうですがフィリピンと上手に付き合うにはこのよう経費は安いがその分質が悪く手間もかかる事は覚悟していないと、かえって余計な仕事が増えストレスになるような気がします。
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