| 一昨年のサブプライムローン問題を引き金に起こったリーマンショック。
これは市場経済が行き詰まりを見せる中、投資先を失った資本家達のマネーの受け皿として、「本来リスクが高いために投資先としてはリスキーな低所得者層向けの住宅ローン」に対し、「リスクを分散させ、そのリスク自体を商品にする」という金融技術を使い商品にすることで、多くのお金が動き、結局は自転車操業と同じの住宅バブルは行き詰まり、一挙にリスク予想を上回る焦げ付きが発生してしまったわけです。
行き場を失ったお金の流れは豪雨の際の洪水のように国債へと向かいました。
リーマンショックを発端とした世界経済の低迷はまさに世界規模。 どこかに景気が良い国があるのではなく、世界全体の成長が止まってしまったのですから、どこの国も財政は一挙に厳しい状況に追い込まれます。
不景気により税収は大幅に減り、一方で失業問題をはじめ社会保障費は増大する。
財源がない中で、どう国を治めるか、と言う事で世界中の政治家が追い詰められて行きます。
景気が悪いなか増税を打ち出せば、使える金が減り、余計景気が悪くなります、 民衆は国の政策の責任を求めますので、増税を納得させることも出来ません。
歳出が増え、税収がしぼむ中、政府に残された道は赤字国債の発行しかなくなります。
世界中で国債が発行され、行き場を失っていた投機マネーがそこへ動きます。
住宅バブルのあとは国債バブルです。
しかし、景気が回復しない限り増える一方である国債は、空手形と同じでその国の財政が破綻すればただの紙切れと化してしまいます。
多額の債務を抱えている国はギリシャだけではないはずですが、ギリシャは為替差を利用し、見かけ上の債務の圧縮という禁じ手を使い、それが表面に出てしまった事が財政破綻の引き金になってしまったようです。
これが今の円高の原因ですね。
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