| 1、日本語では古来、”イヌ…”の言葉は多いですが、 庶民が俗諺として使った単語の場合、”イラヌ(要らぬ)” つまり”必要のない、役に立たない、”が転じて、”イヌ”になったというのが一般的な説明ですね。 漢字の”犬”は後に音にあてたものです。 ”犬死”…イヌジニ、つまり、役に立たない、つまらない死、ですね。
2、『犬死に』の語源は、江戸時代の有名な悪法『生類憐れみの令』によって死罪に処された者に対して「犬をいじめて死ぬだなんて全く無為な死に方だ」と言われた事から。動物を虐待すると重く処罰され、特に徳川綱吉が大の犬好きであった為、犬を虐待した者は死罪など特に重く処罰された。
3、俳句の中で、「似ているが本物ではない」という場合に名詞の頭に冠りする接続語として「犬」という字が使用されたのが最初だと言われています。 (「犬莵玖波集」と言う、俳諧歌(はいかいか)の連歌集「莵玖波集」をもじって命名された俳諧連歌集に、犬は役に立たないことの喩えで使われました。)
さらに、へりくだって呼称していたこの「犬」が、逆にいやしめ軽んじて「くだらないもの、無駄なもの」の意として、用いた表現が「犬医者=薮医者」、「犬侍=腰抜け侍」そして「犬死=徒死」と例えられるようになったということです。
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