地球の田舎暮らし掲示板
(現在 過去ログ118 を表示中)

HOME HELP 新着記事 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

[ 最新記事及び返信フォームをトピックトップへ ]

■111380 / inTopicNo.21)  Re[20]: 頑張れ、駐米大使
  
□投稿者/ HAIRU ベテラン(245回)-(2014/01/18(Sat) 22:06:07)
    >ロシアと組んでアメリカ切りのタイミングでしょうか。

    今はゆるやかなアメリカの植民地みたいなもんだと思ってますから
    極論でいけば

    1アメリカにノーといって袂を分かつか
    2アメリカの51番目の州になるか
    しかないと思います。

    小泉さんは人気がありましたが、やってたことはアメリカに日本を
    売り渡す算段ばかりだったでしょうね。
引用返信/返信 削除キー/
■111385 / inTopicNo.22)  Re[21]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ ヒロ 大御所(44699回)-(2014/01/18(Sat) 22:27:45)

    なんの、人種差別の白人国(今は、キンタマ抜かれたオバマやけど)と組んではアカン。 ロシアだって、ワテから言わせたら国際法違反の侵略(日露の仕返し)で北方領土を掠め取ったのやおまへんか?

    終戦日を過ぎても千島列島を南下したのやがな。 8月15日時点では、ウルップ島以南は、日本領土でっせ。 何が北方4島やねん。 もっとあるがな。

    日本は、独自で防衛を考え、アメリカの政権が変わるのを待つしか無いやろね。
    日本でも、アメリカでも民主はアカン。

引用返信/返信 削除キー/
■111387 / inTopicNo.23)  Re[22]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ masao 大御所(1226回)-(2014/01/19(Sun) 07:20:42)
    ヒロ大人の正論、現実論の次に控えるのが一夜にして核武装のお伽噺。
    イスラエル、ロシア、日本の3国軍事同盟は、可能か?
引用返信/返信 削除キー/
■111392 / inTopicNo.24)  Re[23]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ うさ 大御所(14339回)-(2014/01/19(Sun) 13:25:07)
     内田 樹 という人の考察が面白いと思ったので、ちょっと長いですが、以下にコピペしておきます。

    東京裁判は戦後日本に対して二つの義務を課した。

    一つは、敗戦国として戦勝国アメリカに対して半永久的に「従属」の構えをとること。

    一つは侵略国としてアジアの隣国(とりわけ中国と韓国)に対して半永久的に「謝罪」の姿勢を示し続けること。

    従属と謝罪、それが、東京裁判が戦後日本人に課した国民的義務であった。

    けれども、日本人はそれを「あまりに過大な責務」だと感じた。二つのうちせめて一つに絞って欲しいと(口には出さなかったが)願ってきた。

    ある人々は「もし、日本人に対米従属を求めるなら、日本がアジア隣国に対して倫理的疚しさを持ち続ける義務からは解放して欲しい」と思った。別の人々は「もし、東アジアの隣国との信頼と友好を深めることを日本に求めるなら、外交と国防についてはフリーハンドの国家主権を認めて欲しい」と思った。

    伝統的に、従属を求めるなら謝罪義務を免除せよと主張するのが右派であり、独自の善隣外交を展開したいので、アメリカへの従属義務を免除して欲しいと主張するのが左派である。

    そういう二分法はあまり一般化していないが、私はそうだと思う。

    その結果、戦後の日本外交は「対米従属」に針が振れるとアジア諸国との関係が悪化し、アジア隣国と接近すると「対米自立」機運が高まるという「ゼロサムゲーム」の様相を呈してきた。

    具体的に言えば、戦後日本人はまずアメリカへの従属を拒むところから始めた。内灘・砂川の反基地闘争から60年安保闘争、ベトナム反戦運動を経由して、対米自立の運動は1970年代半ばまで続いた。

    高度成長期の日本企業の精力的な海外進出も対米自立の一つのかたちだと解釈できる。江藤淳はアメリカ留学中にかつての同級生であるビジネスマンが「今度は経済戦争でアメリカに勝つ」とまなじりを決していた様子を回顧していた。敗軍の兵士であった50〜60年代のビジネスマンたちの少なからぬ部分は別のかたちの戦争でアメリカに勝利することで従属から脱出する方位を探っていた。

    だから、日本国内のベトナム反戦運動の高揚期と日中共同声明が同時であったことは偶然ではない。このとき、アメリカの「許可」を得ないで東アジア外交を主導しようとした田中角栄にアメリカが何をしたのかは私たちの記憶にまだ新しい。

    同じロジックで政治家たちの「理解しにくい」ふるまいを説明することもできる。

    中曾根康弘と小泉純一郎は戦後最も親米的な首相であり、それゆえ長期政権を保つことができたが、ともに靖国参拝で中国韓国を激怒させた経歴を持っている。彼らはおそらく「従属義務」については十分以上のことをしたのだから「謝罪義務」を免ぜられて当然だと思っていたのだ。

    その裏返しが「村山談話」を発表し、江沢民の反日キャンペーンを黙過した村山富市と東アジア共同体の提唱者であった鳩山由紀夫である。彼らはともに「謝罪義務」の履行には心を砕いたが、アメリカへの「従属義務」履行にはあきらかに不熱心だった。

    このようにして、戦後70年、従属義務をてきぱき履行する政権はアジア隣国への謝罪意欲が希薄で、対米自立機運の強い政権は善隣外交を選好するという「ゼロサムゲーム」が繰り返されてきた。

    このロジックで安倍首相の行動は部分的には説明できる。今回の靖国参拝は普天間基地移転問題でのアメリカへの「従属」のポーズを誇示した直後に行われた。「従属義務は約束通りに果たしたのだから、謝罪義務は免じてもらう」というロジックはどうやら首相の無意識にも深く内面化しているようである。

    問題は、アメリカ自身は「従属か謝罪か」の二者択一形式には興味がないということである。彼らが同盟国に求めているのは端的に「アメリカの国益増大に資すること」だけである。「われわれはアメリカに対して卑屈にふるまった分だけ隣国に対して尊大に構える権利がある(その結果アメリカの「仕事」が増えても、その責任は日本に従属を求めたアメリカにある)」という日本人の側のねじくれた理屈に同意してくれる人はホワイトハウスにはたぶん一人もいないだろう。

引用返信/返信 削除キー/
■111393 / inTopicNo.25)  Re[24]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ masao 大御所(1228回)-(2014/01/19(Sun) 13:47:54)
    >東京裁判は戦後日本に対して二つの義務を課した。

    戦勝国アメリカは、 とする方が正確だと思います。
    東京裁判を手段として戦勝国アメリカは、です。
    敗戦国日本を東京裁判と呼ぶ方法で勝者の奢りで断罪して見せたのです。
引用返信/返信 削除キー/
■111396 / inTopicNo.26)  Re[25]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ HAIRU ベテラン(246回)-(2014/01/19(Sun) 18:32:55)
    >東京裁判は戦後日本に対して二つの義務を課した。

    うささん、記事をありがとうございます。おおむね同意できる内容ですが
    韓国は大戦中は「加害者」ですよね。何かといえばナチスドイツを持ち出
    しますが、ドイツに併合されて他国を攻撃した国のことは知らないのか知
    らない振りをしてるのか。
引用返信/返信 削除キー/
■111397 / inTopicNo.27)  Re[25]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ masao 大御所(1229回)-(2014/01/19(Sun) 18:50:30)
    やっと別宅に戻って来ました。

    >問題は、アメリカ自身は「従属か謝罪か」の二者択一形式には興味がないということである。彼らが同盟国に求めているのは端的に「アメリカの国益増大に資すること」だけである。「われわれはアメリカに対して卑屈にふるまった分だけ隣国に対して尊大に構える権利がある(その結果アメリカの「仕事」が増えても、その責任は日本に従属を求めたアメリカにある)」という日本人の側のねじくれた理屈に同意してくれる人はホワイトハウスにはたぶん一人もいないだろう。

    日本人の側のねじくれた理屈?
    面白い切り口でしたが最後が悪い、品が無いです、内田樹さん。
    ホワイトハウスも家主が変われば、応対も変わります。

引用返信/返信 削除キー/
■111402 / inTopicNo.28)  Re[26]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ ヒロ 大御所(44704回)-(2014/01/19(Sun) 20:02:43)

    いろんなことを言う人がいますね。 でも、この内田某さんは、初めに自分の言いたい結論があって、それに事実の一部を切り貼りして、如何にも自説が正しいかのように編んでますがな。

    この手の逆をやってる人もいますからね。

    過去をこうして語るなら、その延長線上の未来を予言されたらエエのや無いかな?

引用返信/返信 削除キー/
■111405 / inTopicNo.29)  Re[27]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ Jack天野 大御所(1488回)-(2014/01/19(Sun) 20:41:54)
    私は、政治と宗教と思想の話は嫌いですが、韓国と生ぬるいと思う、
    もっと日本を叩いて反省させ、戦争責任を追及するべきです。

    日本は韓国を侵略、慰安婦は強制連行、強制労働、独島領有
    日本は韓国に対して、謝罪も賠償も不十分である。

    としてくれた方が、日本としてやりやすい。    Jack
引用返信/返信 削除キー/
■111406 / inTopicNo.30)  Re[28]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ masao 大御所(1230回)-(2014/01/19(Sun) 20:57:11)
    朴さん、頑張って下さい、応援してます。 
    韓日国交断絶を目指して日夜告げ口外交に邁進して下さい。
    あなた様は、私達の希望です。
引用返信/返信 削除キー/
■111410 / inTopicNo.31)  Re[26]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ うさ 大御所(14343回)-(2014/01/20(Mon) 06:18:56)
    No111396に返信(HAIRUさんの記事)

    > 韓国は大戦中は「加害者」ですよね。何かといえばナチスドイツを持ち出
    > しますが、ドイツに併合されて他国を攻撃した国のことは知らないのか知
    > らない振りをしてるのか。

     韓国というか、朝鮮半島の住民は植民地として日本の一部とされていたのですから、加害者でもあったという言い方はありえますが?
     しかし、植民地として差別されていたから一概に加害者とは言えないでしょう。徴兵にしても朝鮮半島出身住民に適用されるようになったのは戦争末期になってからですし。
     まあその以前から日本軍の軍属などとして威張り腐っていた人も個々にはありえるでしょうがね。
     ドイツに攻撃されて他国を攻撃した国って何ですか?併合されたのはチェコスロバキアのズデーデン地方とか、オーストリアも合邦みたいな形になったんですか?
     フランスもナチスドイツに降伏したペタン元帥のヴィシー政権下では対独協力の姿勢がきわだってはいたようですが、対英攻撃とかには駆り出されてはいなかったんじゃないですか?ナチスドイツ軍にはそこまで信用されてはいなかったのでは。
引用返信/返信 削除キー/
■111422 / inTopicNo.32)  Re[27]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ masao 大御所(1231回)-(2014/01/20(Mon) 12:03:31)
    ドイツのよるオーストリア併合でしょう。

引用返信/返信 削除キー/
■111426 / inTopicNo.33)  Re[28]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ GENANA 大御所(17395回)-(2014/01/20(Mon) 12:43:52)
     ものの見方とは人によって違うんですね。長いけどコピペしときます。

    私はジャーナリズム言論あるいは知識人言論のあるべき姿を、基本的には次のように考えています。

     書き手が時代の現状をできるだけ把握したうえで、その状況に対してある主張・意見を示し、なぜ自分はそういう主張・意見をもつのか、その根拠を、論理的に説明する。それは突き詰めて言えば自分の思想的な立場(政治的な立場ではありません)を鮮明にすることにつながる。要するに、「私はこの問題に関してはこう思う」とはっきり言うことである、と。

     しかし、そうは言っても世は複雑で難解。必ずしも立場を言葉で鮮明にできるとは限らないし、それが無条件にいいとも言い切れないこともあります。厚みを失った単純な裁断は、時として言論文化を腐らせる元にもなるからです。ですから、そういう場合には、「このことに関して自分はいまのところはっきり決断できない」とか、「この点については疑問なしとしない」とか「こちらの言い分にも共感するが、こちらの言い分にも一理ある」というような一見曖昧な、どっちつかずの文体であってもかまいません。それだけでも言論として発表する値打ちはじゅうぶんにあります。それはそれなりに一つの問題提起であり、読者をして考えさせるきっかけを与えるからです。

     いずれにしても、ジャーナリズムに言論を発表する以上は、現状の何が問題であり、自分はそれについていまのところこう考えている、ということだけは明確に語る必要があるでしょう。

     それはもちろん間違う可能性が大いにあります。人間はもともと不完全な存在だからです。でも、その間違う可能性をも織り込みながら、局面、局面で最大限広い視野を展望しつつ決断を下していく。もし間違ったことが明らかになったら、その時点で間違いを潔く認め、きちんと訂正する。そういう責任の取り方が大切で、こういうことを果たしているのが「タチのよい言論」だと思います。

     それに対して、「タチの悪い言論」とは、はじめから自分のイデオロギー的な好みが決まっているのに、それを読者に刷り込むために何やら客観的に見える事実や証拠の断片とおぼしきものを寄せ集めてきたり、怪しげな権威筋を借りてきて説得力があるかのように装ってみせたり、いかにも意味ありげなひねくった文体を意識的にとる、そういう言論です。しかも、肝心のところでその言論のもとになっている基礎認識が間違っているのに、そのことを自覚していない。だからじつは自分の好みのイデオロギーを押しつけているだけなのです。

     この場合、当の書き手は、「客観性」や「権威性」や「高級めかした文体」に自分をゆだねていますから、言葉を発表するということに伴う決断と責任を無限に回避していられます。こういう巧妙さ、狡猾さは、日本の知識人の一部に見られるお家芸で、彼らは、戦後の「言論の自由」の恩恵に長い間甘えてきたために、言論がもつべき公共的な責任意識をすっかり忘れてしまったのでしょう。



    <続く>
引用返信/返信 削除キー/
■111427 / inTopicNo.34)  Re[29]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ GENANA 大御所(17396回)-(2014/01/20(Mon) 12:45:12)
    これから取り上げる内田樹氏の論文「アメリカからの『警告のシグナル』」(『新潮45』2013年8月号特集・私の憲法論)は、まさにその典型とも評すべき論文です。

     内田氏は、いまかなりの売れっ子評論家です。私はそれほど深く読み込んだことがないのですが、ホームページから立ち上げた処女作『ためらいの倫理学』(冬弓舎・2001年)以来、大文字の「正義」の胡散臭さをたえず相対化してみせる繊細で柔軟な思考スタイルを売りにしてきたことは間違いないでしょう。フェミニズムやポストモダニズム以後の若い世代のインテリが、左右を問わず既成のイデオロギーに対して感じてきた違和感にうまくヒットしたのだと言えます。つまらぬ理想をけっして掲げず、自前の感性を大事にしながら好き嫌いをきちんと言う、というところが受けたのでしょうね。成熟社会の文化的特徴とも言えるでしょう。

     たとえば、セックスワーク(売春)について書かれた次の論文などは、フェミニズムの論理破綻を鋭くかつ緻密に指摘してなかなか読ませます(2003年)。

    blogos.com/article/63222/ 

    しかし、最終的に私は、この人の考え方に賛同できません。まさに「ドミナント(支配的)な思考制度」に対して、それがただドミナントであるからというだけの理由で、自分の個人的な嫌悪感を論述の基本的なモチベーションにしており、そこにのみ自論のアイデンティティを置いてるとしか思えないからです。ちなみに、ここでは触れませんが、セックスワーク(売春)については、少し前に私自身も書いていますので、興味のある方は、読み比べてみてください(『なぜ人を殺してはいけないのか』洋泉社・2000年)。

     私はじつは、どうもこの人は、硬直した思考の隙間をねらって撃つというテクニックに長けてはいるが、本人が根のところで持っている政治観、社会観、倫理観は意外に単純で、政治や経済に関して不勉強な日本の文学者などにありがちな、ただの反体制、反国家的な心情主義にすぎないのではないか、という疑いを抱いてきました。でも語り口が洗練されていて巧妙で、いいことを言っているところもあり、なかなかシッポをつかませないな、と感じていたのです。

     最終的に特定のイデオロギーにおもねず、個人の好き嫌いをはっきりさせて物事を判断するというのは、「言論の自由」をよく生かしていることになりますし、論じる対象によっては、それがいい持ち味を出すということも大いにあります。しかし、政治言論は、それでは少々困るのです。この領域は、主観的には自分の個人的な判断だと思っていることが、じつは特定のイデオロギー(ドミナントな価値観)にまったく籠絡されているにすぎないということが最も起こりやすい領域だからです。

     今回の彼の論文は、まさにそのような代物であり、とうとうその馬脚を現わしたと思いました。

    <続く>
引用返信/返信 削除キー/
■111428 / inTopicNo.35)  Re[30]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ GENANA 大御所(17397回)-(2014/01/20(Mon) 12:46:19)
    さて本題です。『新潮45』の論文は以下の書き出しによってはじまります。



      改憲が政治日程にのぼっているという情勢判断に基づいてこの特集が組まれているのだが、私は安倍自民党は改憲をなかば諦めているというふうに判断している。



     ところがすぐ次を読むと、この「判断」なるものは、競馬の予想屋のような「判断」とは違って、かなりの部分まで「私の主観的願望」なのだと言います。



      でも、あまり心楽しむことのない政策が続いている安倍政権にひとつくらい「希望」を持たせてもらってもいいじゃないか。というわけで、私の「希望」の拠って来たる所以について以下に管見を記す。



     つまり自分は安倍政権の政策に批判的であり、その批判を「希望的観測・予測」のかたちで述べさせてもらう、と言うのですね。もし安倍政権の政策に批判的なら、それは大いに結構なことで、この政策はこれこれこういう理由で国民生活をよい方向に導かないと思うから反対である、と論理を駆使して述べればよいはずです。それなのに「願望」とか「希望」にすぎないものを、客観めかした「判断」のかたちで述べる、というのは、なんだかおかしくはありませんか(ちなみに私自身は、安倍政権の政策には賛成できるものもあれば賛成できないものもあるけれど、ほかにこれを凌駕するだけの定見のある党がないと考えています。ご関心のある方は、このたびの参院選公示直後に書いた以下の拙稿をご覧ください。kohamaitsuo.iza.ne.jp/blog/entry/3123312/)。

     でも、こういうことをあえて「言ってみせる」ところがこの人の巧妙なところなのですね。かなりの部分まで自分の主観的な願望なのだと告白しておけば、その誠実さのポーズが担保できるわけです。じっさい、人間のやることですから、完全中立な判断など不可能ですし、事実いまの世の中、右から左までただの恣意的・感情的な価値観にすぎないものをいかにも客観的・科学的・中立的めかして論じている欺瞞的な言説には枚挙にいとまがありません。それに比べれば、内田氏のこういうレトリックは、「まだマシ」ということになりましょうか。

     しかし、では彼はこの論文でどういう「願望」をどういう「価値観」に依拠してどのような「判断」のかたちで述べているか。続くくだりを読むと、そのカラクリがまったくお粗末であることが透けて見えてきます。

     まず彼は、安倍首相が4月に「村山談話をそのまま継承しているわけではない」と踏み込んだ発言をし、後に参院選前の政治的な情勢判断から、「日本が侵略しなかったと言ったことは一度もない。安倍内閣としてもこれまでの歴代の内閣の立場を引き継ぐ」とトーンダウンさせたことをとらえて、「食言」であると非難します。しかし私は別に安倍首相の肩を持つわけではありませんが、政治家がとにかく選挙に勝つためにこの程度の「訂正――引っ込め」発言を行うことを取りたてて非難に値するとは思いません。政治とはそういう妥協と術策の連続だと言っても過言ではないでしょう。

     たとえば内田氏は、民主党政権を正面切って非難したことは(おそらく)一度もないようです。あの政権がいかにマニフェストなるものを振りかざしながらまったく約束を守らず、統制も取れず実行力もなく、しかもそのほとんどの政策の実現自体が国益(国民の利益)を損なうものでしかなかったかという周知の事実をどう見ているのでしょうか。それについてはだんまりを決め込みながら、圧勝が確実視されていた与党党首が、選挙戦中に「逸る駒」の手綱を引き締めるために行った「食言」だけをあげつらうというのは、とても偏った態度ではないでしょうか。


     それはともかく、内田氏は、安倍首相が「食言」せざるを得なかったその根拠を二つ持ちだします。一つは、ニューヨークタイムズ(以下、NYTと略記)に安倍発言(4月のもの)批判の社説が掲載されたこと。もう一つは、2月の安倍首相訪米の際のホワイトハウス(以下、WHと略記)の冷淡な態度と、パク・クネ韓国大統領と習近平中国主席とが訪米した際の厚遇の態度とのコントラスト。特に習近平主席との会談が8時間に及んだことを強調しています。

     氏が言いたいのは、アメリカという超大国が、その同盟関係にある日本に対して批判的で冷淡な態度をとったことが、日本の外交筋を畏れさせ、その結果が安倍首相の「食言」につながったということです。

     ここに、氏の考え方のインチキ性がいかんなく発揮されています。ひとつひとつ行きましょう。

    <続く>
引用返信/返信 削除キー/
■111429 / inTopicNo.36)  Re[31]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ GENANA 大御所(17398回)-(2014/01/20(Mon) 12:47:06)
    まず、氏は、NYTを無条件に「クオリティペーパー」と呼んで、その社説の批判的評言が何かものすごく大きな正統的権威をもつものであるかのような威嚇的言辞を弄しています。私見では、NYTは、いうなれば日本の朝日新聞。もっと言えばただのサヨク新聞です。一応は広く言論を集めて懐の深さを見せているようですが、社説にこそその社是がよく現われています。ワシントン・ポスト(WP)のほうがはるかに公正な姿勢を示しています(一例として、産経新聞7月29日付、各国の新聞の社説紹介欄「環球異見」におけるWP紹介記事を挙げておきます)。

    さて氏は、なんの実証的根拠も示さずに、次のようなことを言っております。



      この「叱責」(NYTの社説――引用者注)はむろんアメリカ政府からの直接のものではないが、米政府の意向をかなり強く反映しているものと官邸は受け止めた。



      これ(首相の訂正発言――引用者注)はどう見ても首相の発意によるものではなく、アメリカに「強制」された前言撤回と解釈すべきであろう。



     NYTの社説による安倍発言批判が、2月訪米時のWHの対日批判姿勢の証拠だというわけです。バカじゃないの。

     あのね。安倍発言は4月でNYTの社説も同じ日。訪米は2月。なんでたかが一新聞の「叱責」なるものが2カ月も前の中央政権の「冷遇ぶり」の証拠になるの。

     だいたい夕食会や記者会見がなかった程度のことが、どうして「冷遇」と決めつけられるのか。私はこれを特に日本の代表・安倍首相への冷遇とは思わないのです。アメリカはいま国内事情・中東情勢でたいへん。同盟国との信頼関係はそこそこ継続しているので(むしろ安倍政権の誕生で民主党時代の日米関係の懸念は払拭されたことが確認済みだったので)、特に賓客・珍客を迎えるような必要性を感じなかっただけのことです。ああ、いつもの友達が帰ってきてくれたね、ということですよ。

     これに対して、韓国、中国、特に中国は、いまアメリカにとって真剣に、じっくり相手にしなくてはならない「問題大国」です。外交上「歓迎」のポーズを示す必要があると考えるのは当たり前じゃないですか。内田さん、あなたも多くの日本人のように自己中心的でお人好しですねぇ。

     オバマ大統領と習主席とが8時間会談したというのは、何もアメリカが日本との同盟関係を捨てて心底中国との友好関係を築こうなんて考えているからではない。厄介な相手が来たら、長く話し込むのも当たり前。ちなみにこれ、知ってますか。同席した高官の証言ですが、習さんが日本との領土問題に触れて喋々とやりだしたら、オバマさんが「そこまでにしましょう。日本はアメリカとの同盟国です」と制止したという話。

     しかし私は某社会学者のように「アメリカ教徒」ではないので、こうしたやり取りの中に、日米間の絶対の信頼関係を見て喜ぼうなどとは思いません。オバマさんの心境からすれば、「その問題はそちらで解決してくれない? それはそれで考えてはいるけど、ちょっといまウチはたいへんなんだからこっちにあんまり尻を持ち込まないで」といったところでしょうね。見かけ上の厚遇冷遇の差なんかに、アメリカ政府の本音は出ていません。

     内田氏は、いかにも冷静に情勢判断をしているように見せながら、言いたいことはとても単純で幼稚です。

    <続く>
引用返信/返信 削除キー/
■111430 / inTopicNo.37)  Re[32]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ GENANA 大御所(17399回)-(2014/01/20(Mon) 12:48:00)
    それゆえ参院選後も安倍内閣の「対米従属」の基本的な構えは変わらないと私は思っている。アメリカが「中韓との関係を緊張させることはしてはならない」というはっきりしたメッセージを出してきている以上、安倍自民党が改憲をこれ以上ごり押しすることはありえない。(中略)それ(改憲の強行――引用者注)は「戦争ができる国になる」という宣言にほかならず隣国からの激しい外交的な反発を招くことは間違いない。



      だから、アメリカは「今は改憲すべき時ではない」ということをすでに安倍首相に対して複数のチャンネルを通じてはっきりと伝えているはずである。長期政権を狙うなら首相にこれを拒否する選択肢はない。(中略)だから、改憲は参院選の争点にならないし、仮に選挙で自民党が圧勝しても、やはり近い未来の政治日程には上ってこない。以上の日米関係の文脈に基づいて私はそう予測している。



     内田さん、「予測」が外れてザンネンデシタ。この文章は選挙運動期間中に書かれたもののようですが、すでに投票日の直前に安倍首相は、「公明党にも理解してもらうよう、じっくり取り組んでいくが、9条改正を政治日程にのぼらせてゆく」とはっきり言明しています。しかも選挙での圧勝後すかさずASEAN諸国を回り、現憲法下の制約のもとでは、自衛隊は、平和維持活動で一緒に活動しているあなた方の国軍が隣で危機に陥っても助けることさえできないのだ(つまり集団的自衛権が認められていないのだ)と発言しました。その非常識な日本の現状を知った各国首脳はびっくりしたようです。

     内田氏の「判断」「予測」能力にはいくつもの欠陥(病気)があります。

     あの巨大な国アメリカの一メディアNYTと中央政権WHの意向とを単純に同一視するような近視眼。待遇の形式的な差だけを根拠に、アメリカ親分が日本の新政権に対して根本的に批判的なのだなどと考える被害妄想。近年の東アジア情勢の緊張、特に中国が引き起こしているそれはまったく新しい事態であり、現に早急な対応を迫られているという現実については、いっさい言及せずに頬かむりしているご都合主義(この姿勢は私が触れたかぎり、最近書かれた彼の他の論文でも一貫しています。たとえば

    blog.tatsuru.com/2013/07/12_1234.php。

    <続く>
引用返信/返信 削除キー/
■111431 / inTopicNo.38)  Re[33]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ GENANA 大御所(17400回)-(2014/01/20(Mon) 12:48:56)
    しかし何と言っても一番問題なのは、アメリカに叱られたのだから改憲はやめなさいという自虐的な説教です。これって、占領統治時代から受け継いだかつての甘ったれサヨクの精神とまったく同じですね。超大国アメリカの傘の下でこそ戦後日本の安全保障体制は維持されてきたのに、その現実を認めず、アメリカ資本主義や核問題や基地問題や憲法改正問題に対して一応ガキの反抗を試みてみたりはする。でも心の底ではアメリカ親分にしっかり媚びることも忘れず、「いざとなったら守ってくれるよね、でも見放されたらどうしよう。日本の保守政権よ、改憲なんかやって、もしそうなったらあんたの責任だからね」と身勝手な思いを抱いている。戦後日本の奴隷根性、属国根性は、アメリカという虎の威を借りて時の政権を批判してきたこういう万年野党的なスタイルにこそ最も如実に表れるものなのです。

     しかも内田氏の場合、非常にタチが悪いと思えるのは、この説教を「私は改憲に反対だ」と堂々と言わずに、「改憲するとアメリカの不興を買うに決まっていて、そのことを官僚も理解しているから、安倍政権も改憲に踏み込めないだろう」なる回りくどい「情勢判断」として提示している点です。これは、自国がどんな危機に巻き込まれた有事の際でも、アメリカのご機嫌をうかがわなければ何もやってはいけないと言っているのと同じで、まさしく奴隷根性以外のなにものでもないではありませんか。志位さんや、いまや政治生命が断たれた(失礼)瑞穂さんの空想的平和主義のほうが、まだしもすっきりしていてカワイイ。

     上記のブログで、内田氏は、自民党の改憲案に反対して、いろいろと反論しています。この中で、自民党の改憲案が新自由主義やグローバリズムに都合よくできているという点については、なかなか鋭い批判であり、私も同感です。なお私自身は、自民党の改憲案や産経新聞の改憲案には別の理由から根本的に賛成できません。しかしこれについては、

    kohamaitsuo.iza.ne.jp/blog/entry/3098054/

    kohamaitsuo.iza.ne.jp/blog/entry/3098109/

    を参照していただくとしましょう。

     さて内田氏の改憲批判には、『新潮45』での論文とほぼ同趣旨の部分が多いので重複を避けますが、これまで指摘してきた以外に、三つの問題点があります。

     ひとつは、戦後の日本で平和が維持されてきたのは、日本国憲法のおかげだと説いている点です。これは、国際政治上で危うく平和が保たれるのは大国のパワー・バランスによっているのだという常識を知らないバカげた議論です。東西冷戦構造下での軍事的・政治的な均衡状態が続き、日本は安保条約によってアメリカとの同盟関係を最重要視してきました。冷戦崩壊後もこの関係は続きました。だから平和が保たれてきたので、日本国憲法の超理想主義的な内容とは関係ありません。こういうところに過度な重きを置くのは、現実感覚を失った一部戦後知識人の悪い癖です。

     第二に、いまアメリカの覇権が後退し、それに乗じて中国がアジアに露骨な侵略的意図を示している。こういう東アジア情勢の大きな変化の中で、もはや現行憲法の「空想的平和主義」は安全保障上の障害となっているだけです。

    内田氏は、「(自民党は)『この憲法では国を守れない』と言い募るだけで、『この憲法のせいで国を守れなかった』事実を一つとして挙げていない」と批判しています。しかし、もともと憲法のせいで国が守られてきたのではないのだし、これまで僥倖が重なって平和が守られてきたにしても、国際情勢の急激な変化には迅速に対処しなくてはならないのですから、こういう論理は「護憲」を正当化する根拠には全然ならない。事実、尖閣問題では、領土・領海・領空を日々脅かされながら自衛隊が満足な防衛手段を取ることができないわけです。内田氏は(サヨクはみなそうですが)、そういう現実問題との絡みで憲法問題を論じようとはけっしてしません。

     第三に、内田氏は、現行憲法がアメリカの占領統治のための暫定的措置にすぎなかったという成立過程を全く無視しています。この憲法は、日本人の伝統的な国民性にも合わず、文章もヘンな文章で、不必要な重複、順序のおかしさなど欠陥が目立ちます。それでも護憲派の言い分にしたがうなら、たとえ「押しつけ憲法」でも国民がそれを受け容れて、現実にそれによって平和が保たれたのだからいいじゃないかというわけでしょう。これはいま繰り返したように国内だけしか見ない視野の狭い認識なのですが、いくら説得しても説得不可能でしょうから、一つだけこういう例を挙げておきましょう。

    <続く>
引用返信/返信 削除キー/
■111432 / inTopicNo.39)  Re[34]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ GENANA 大御所(17401回)-(2014/01/20(Mon) 12:53:30)
     日本国憲法の草案作りに最も深くかかわったGHQ民生局のケーディス大佐(当時)が、30年後に本国で、憲法がそのまま生きているというのを聞いてびっくりし、「えっ、まだ変えていないのか!?」と言ったそうです。内田氏の大好きなアメリカ人です。それから40年近くたちましたが、このみっともない憲法は、まだ一行たりとも変わっていないのですね。

     もちろん、ただ情勢の変化に合わせて必要事項をごちゃごちゃ書き加えるのは、そもそも憲法というものの精神に反しており、けっしていいことではありません。しかし逆に「平和が保たれたから護憲」という間違ったロジックで、この欠陥憲法をそのままにしておくのもどうかと思います。私は一部の人が唱えている「廃憲」もありだと考えています。

     内田氏が、改憲すると「戦争ができる国になる」といった小学生並みの危機感から改憲に反対しているにすぎないのは、上記の引用部分から明らかです。これは、いまや政治生命を絶たれた(失礼)瑞穂さんなどとまったく同じことを言っているとしか受け取れません。鋭敏な感性と深い思考力の持ち合わせを多少とも自負する言論人なら、もう少しひねりを効かせてみてはいかがでしょうか。じつはただのナイーブな空想的平和主義者(戦後にのみ登場した突然変異種)にすぎないのに、何やら回りくどい理屈を弄して、いかにも高級なことを言っているように見せかける。しかし少していねいに読めば、その思想の幼さは明らかです。こういうのを「タチの悪い言論」と言わずして何でしょうか。(by小浜逸郎)


     書き手の小浜ちゅう人は国士舘の客員教授かなんかだから内田氏とは立ち位置が違う。もの見方ちゅうのはこれほど多様性に富むちゅうことだわな。

     読み手はよく吟味して読まんと騙されるちゅうことですわ。本に書いてあるから事実かどうかは別。

     でも、全文読んだ人いるかな。俺なら掲示板のこの手のものは読まんな。

引用返信/返信 削除キー/
■111436 / inTopicNo.40)  Re[35]: 頑張れ、駐米大使
□投稿者/ penguin 大御所(15725回)-(2014/01/20(Mon) 13:30:35)
    私も読まんよ。
引用返信/返信 削除キー/

<前の20件 | 次の20件>

トピック内ページ移動 / << 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 >>

レス数の限度を超えたのでレスできません。

(レス数限度:100 現在のレス数:101) → [トピックの新規作成]
Mode/  Pass/

HOME HELP 新着記事 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

- Child Tree -
- ショージ君のアイコン工作室 -あすぱる! -