| 民族ごとに宗教が別れているというのも、明確に間違いですね。パレスチナアラブ人にはキリスト教徒もいます。例をあげるなら、PFLPのジョルジュハバシュ議長はキリスト教徒の医者でした。パレスチナ人は世俗国家を目指していました。1980年代にハマスが台頭してき てからは必ずしもそうとは言い切れなくなってきていますが。ではいっぽうでユダヤ人というのは民族でしょうか?明らかに違います。人種的にも話す言語もいろいろです。そもそも、イスラエル建国の中心勢力になった人たちは金髪碧眼で言語はイーディシュ語というドイツ語に良く似た言語を話します。彼らは中世ヨーロッパの頃に、何らかの理由でユダヤ教に改宗した人々ではないかというのが今日では有力な説です。彼らの人種的、民族的な祖先が3000年前にパレスチナの地にいた人だとは誰も証明できません。一方でセファルディムと呼ばれる人たちがいて、モロッコとかエチオピアとかから、イスラエル建国後に移民してきた人たちです。帰還法という法律に基づいて、わたってきたのです。それによれば、母親がユダヤ教徒であればイスラエル国籍を認めるというものなのです。これは明らかに宗教国家です。つまりイスラエルという国家を支えるものは民族でもないし、言語でもないし、宗教だということです。
また、先に戦争をしかけたのはアラブのほうやんかぁ。とかいうのも明らかに不当です。1947年11月の国連パレスチナ分割決議、それを一部の根拠とした1948年のイスラエル建国宣言に基準をおけば、第一次から4次くらいまでの中東戦争はアラブ側が先に戦争を始めたという言い方はあるいは成立すると言いうるかもしれません。しかし、第一次世界大戦後から1947年までパレスチナを国際連合の信託委任統治という名で植民地にしていた大英帝国は、一方でアラブの独立を認めると言い、他方でヨーロッパで迫害されて、パレスチナにユダヤ国家を建設しようと言い始めたユダヤ教徒のシオニズム運動にも、その資金から色目を使い、ユダヤ国家建設を認めるようなことを言い、いわゆる二枚舌を使っていたわけです。そこにつけこんで、ユダヤ教徒の側は不法に入域をくりかえし、金やテロや脅しで土地を強奪し、国家建設まで持って行ったわけで、最初のボタンの掛け違いを正すことなしに、鶏と卵とどちらが先かというような「神学論争」にしてごまかそうというのは不当そのものです。 うさ
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