| ウイルスの感染経路として一番多いのはメールやメールに添付されて来るファイルを開いたり表示する事です。
ヒロさんの場合はメールはMSNのサービスを通したウエーブメールを利用しているという事ですから、一応フィルターは通っている事になります。
次に多いのはウエブサイトに行って得体の知れないファイルをダウンロードしてしまう事によって感染する場合です。 これは、ファイルのダウンロードというボタンを押さなくても、いろいろな仕掛けでクリックを誘い、ダウンロードを仕組んでいる場合があります。
なかにはポップアップといって勝手に新しいウインドウが出てくる仕組みを利用し、出てきた画面の「閉じるボタン」だと思って押したら、実はそれは「閉じるボタン」に見せかけたダウンロードボタンである、という場合もあります。
ヒロさんの場合は「ややこしいHPは見に行かない」という事なのでこれも大丈夫なのかもしれませんが、このややこしいというのがなんなのか?という所に不安が残ります。
また、MSNのメッセンジャーを介してウイルスが送られてくる場合もありますしパソコンに直接繋がっているCDやメモリーカード、フロッピーなどの媒体からも感染します。
更にややこしいのが、パソコンにインストールしたアプリケーションで、特にウインドウズやインターネットエクスプローラーなどを最新の状態しておきませんと、セキュリティーホールと呼ばれる抜け道ができ、そのアプリケーションを通してウイルスが感染するおそれがあります。
これを防ぐにはインストールされているアプリケーションを最新型にアップデートし、更にファイヤウォールを設定してネットからの進入を防御する必要があります。
そしてこれらに対する対策を全てやっても100%感染を防げるわけではありません。
ウイルスソフトというのは対策のひとつであって、言ってみれば危険が多いダウンタウンにある豪邸のガードマンのような物です。
ガードマンがいるからといって完全に安全が守れるわけではありませんが、被害にあった時にガードマンも雇っていなければ、安全意識を疑われます。
ヒロさんがMSNを通したメールしか触らず、決まったHPに専用道路を通って行く以外にはどこにも行かないとしても、例えば豪邸の塀の外から塀越しにいろいろなチラシが投げ込まれます。
塀が高くなかなか屋敷内には到達しませんが、ガードマンもいない為に次々にチラシが投げられ続け何万というチラシのうち数個が敷地内に入ります。
それを見つけたボーイ君がそのチラシをみると「○月×日△時においしい饅頭を無料で差し上げますので、南側の塀にある小さな穴のところへ来てください。」と書いてあります。ボーイ君はその穴から届けられた饅頭を食べエボラ出血熱に感染してしまいますが、誰も気付きません。
そのうちボーイ君から屋敷内のみんなに感染が広がります。
ウイルスソフトというのは、ガードマンであり、門を通って家に持ち込まれる物が感染していないかを調べ、時々敷地内に感染物が進入していないかを検査する係りです。 ガードマンにも優秀なやつもいれば間抜けで昼寝ばかりしているやつもいます。
なくても感染しない事もありますが、いても感染するときもあります。
でも感染した時に「世の中にこれだけ危険が氾濫し誰もがガードマンを雇っているというのにあの家はガードマンさえもいなかった。それも無料で雇えるのに・・」
ということになるだけの話です。
ウイルス対策ソフトの販売会社の情報操作と脅しがかなり混ざっていたとしても不思議ではありませんが、実際に実害を目の当たりにしている人間から見れば「やはりガードマンは雇った方が良いですよ。無料のもあるのですから。」
となるわけです。
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