| 2006/05/04(Thu) 08:37:40 編集(投稿者)
やっぱり、田舎暮らしが良いですね。
私は仕事の関係で、年間数十人のフィリピン人の人事採用に関わりますが、大学を卒業しているのが条件で採用活動を行っても、日本の有名私立の小学校入試問題より簡単な問題をパーフェクトに答えられない人間が半数以上います。 ひどいのになると二桁の引き算の暗算が出来ません。
特に最近フィリピンの教育レベルが落ちているようで、大学を出ただけでは外資系の企業では単純作業しか任せられません。
ですから大学を出ていても就職が出来ない人が増えています。
まして、高卒などでは学力だけでなく話の理解力や社会や組織の中での自分の立場など、わかり安い説明を繰り返して教育しても十分に理解出来ない場合が多く、だいたいが日本の小学校3年から5年生位の理解力であると感じます。
もちろん個人差が大きいので、大卒なら良くて高卒なら悪いという事でもありませんが、企業側としては選択肢が多いのでわざわざ確立が低い高卒を条件にせず大卒でも人が集まる状況になっています。 ただ、以前は大卒ならある程度のレベルの人間が多かったのですが、今は出身学校、学部、成績を見て選んでも外れる事がかなりあり、結局は本人の資質の問題という事になるのだと思います。
また、法律的には基本的には仕事が出来るのは18歳からなので、(条件付き18歳未満でも可能)16歳で高校を卒業しても2年間は仕事が探せない事になり国の制度が伸び盛りの青少年にスタンバイの訓練をさせているのではないかと思いたくなるくらいです。
フィリピンの企業では日本と違い下働きから徐々にポジションを上げてゆくという事は少なく、管理者は初めから管理者として仕事をし、ワーカーはあくまでもワーカーであってワーカーが頑張ってマネージャーになるようなパターンは少ないようです。
ところがこのマネージャークラスを確保するのが容易ではありません。 このクラスの人は企業を渡り歩きながらキャリアアップして行きますので、優秀な人程すぐに他企業に移ってしまいます。
だからと言って良い給料を提示すればよい人材が来るかというとそうでもないのです。 高い待遇をちらつかせればそれにつられてとんでも無い食わせ物が食いついてきますし、学歴や経歴だけでは本当にどの程度の仕事がこなせるのか全くわからず、とにかく使って試すしかないのです。そして、これは使える、と思ったら当然それなりの待遇を用意してやりがいを与え続けなければなりませんが、そうするとその待遇と経験を武器にして更に良い待遇を求めていなくなってしまう場合が多いのです。
詳しく書き出すときりがありませんが、ですから人材を発掘するのは簡単ではありません。
もちろん、フィリピンにも優秀な人材はたくさんいるのですが、本当に優秀で世の中の仕組みがわかる人の多くは、親戚縁者などのコネを利用してビジネスに直接関わるか、海外に出てしまう場合が多いようです。
フィリピン人でさえ見切りをつけて出てゆくような国に日本と言う世界有数の経済大国から自ら好んで移住してくる物好きがたくさんいるようですが、個人的にフィリピンに来た人がこの国の経済活動に消費者としてではなく参加するのに有利な部分というのは非常に限られた部分しかないと思います。
もちろん人それぞれ事情が違いますのでいろいろな関わり方があって当然ですが、フィリピンに来たら都会に居てもあまり良い事はないような気がします。 街にいて有利なのは日本より物価が安いという事と日本食が食べやすいことぐらいじゃないかとおもう位です。
どうせフィリピンに来たのなら、フィリピン人も逃げ出すようなフィリピンの良くないところに近付くより、フィリピン人の良い部分と多く触れ合える生活をした方が良いような気がします。 その為には都会より田舎の方が断然有利ですね。
私にとっては頭領の生活なんかとてもあこがれますね。 実際にどうゆう苦労があるかは別として、スタイルとしての話ですが。
|