| 2006/05/17(Wed) 11:43:18 編集(投稿者)
■No39007に返信(ヒロさんの記事) > そうやなぁ、生活のレベルから行くととんでもない金額ですよね。 > 田舎では、スタンバイだった人が月5000ペソの仕事について、近所が羨むように変わるのですからね。 > 汗しないで得た金の有り難味判るかな? ヒロ
そうですね、今からもう4年以上前の話になりますが、私は僻地の貧困家庭の子供達に教育の機会を与える為、日本から奨学金を集めセブの私立高校と大学に20人位の奨学生を送り込む事業のお手伝いをしていました。
その時の経費(経費から算出した予算)の一覧が手元にあったので見ているうちにいろいろな事を思い出しました。
その記録ではUV(university of Visayas)という所の教育課程(教員コース)の1年生で授業料13000ペソ/年間。教科書,教材、プロジェクト(特別な授業)ユニホーム等が5000ペソ/年間。となっています。
家賃は一部屋に6人位が共同生活する形で一人6000ペソ/年間。 この奨学金の場合、食費は親負担ですが、目安として7000ペソ/年間(夏休み以外の10ヶ月)がかかるので用意しなければならない。と奨学生選出時に親に説明しています。
部屋は共同ですし、食事も1日35ペソでは育ち盛りの子供にしてみれば非常に厳しい環境ですが、家にいる家族はそれ以下の生活をしているのですからしかたありません。
この奨学金に関しては実際に起こる問題への対策を取り入れながら、数年間かけ修正を繰り返しました。
他人が何もかも援助して不自由が無い学生生活は、子供をだめにしてしまう傾向が強くなる。という事と、親に適度な負担を与えないと親も子供が学校をさぼったりする事を”もったいない”と思わなくなる、ということがよくあったのです。
親が自分達の食べる物を減らしてまで、子供を学校に通わせていると感じさせる事も大切で、それが無いと親も子供も勉強できるチャンスを手に入れたありがたみを忘れ、努力しなくなる事が多かったのです。
一人部屋を与えた事も有りましたが、この女子学生の場合の結果は、誰も見ていない為にルーズになり勉強もしなくなり、男を部屋に連れ込み結局は妊娠騒ぎとなりました。
もちろん学生一人一人の考え方や性格が違うので一回の事象だけを見て、全てがそうだと決め付ける訳にはいきませんが、悪い事に繋がる要素は出来るだけへらす、と言うのが奨学金を出す上で大切な事だと感じた事を覚えています。
お金だけを出してもこちらが思っているようには進まない、と思わざるを得ない経験を何度もしましたが、人様の善意で集まったお金を有効に使う為にはそれを受ける側と運用する側のケアーが非常に重要であるという勉強にもなりました。
金額も含めあくまでも4年以上前の古い私の経験の中(1995〜2002年頃)での話です。
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