| いや〜、久しぶりに酔っぱらった酔っ払いだ〜!
夕べJJさんの家に修理したパソコンを届けようと準備していた時に家のドアベルがけたたましく連打された。
うちのドアベルが連打される場合、ほぼ100%の確立でうちの門扉の前には眉毛が濃いめがねをかけた壮年の男が道の真中でカンカン踊りをしている。
夕べも連打されたドアベルに対し死んだふりをするわけにもいかず、下着姿のまま外に出て門扉に近づいてゆくと、やはり夕べもその眉毛の濃い男がなにやらぶつぶつ言いながら立っていた。
私は心の中で、「ああ、今日は踊っていないが例のあのカンカン踊りの男だ。」と思いながら警戒しつつ彼に近付いた。
彼の様子をうかかがいつつ、門扉をあけようとした瞬間、門扉のかんぬきをはずそうとしてほんの一瞬注意が緩んだその瞬間がっちりとしたた、おそらくは複数の格闘技で鍛えれたと思われる野太い腕が伸びてきて細い私の腕を掴んだ。
私はすぐに家の中に隠れている家族に向かい、自分が拉致されたことを叫んだが、その声が愛する家族に届いたかを確かめる術もないまま私は拉致された。
愛する家族達は、野獣がうろついているジャングルへの防御塀となっている門扉が開いた状態のまま置き去りにされたのだ。
その後その男のアジトまで連れて行かれ幽閉され、なにかわけのわからない薬物を飲まされた事までは覚えているが、次に気が付いた時には、自分がどこにいるのか全くわからなかった。 自分がどのような状況にいるのかわからないまま、,押しつぶされ張り付いている自分の頬を冷たいタイルから引き離した。
周りの状況が、眼球の奥に繋がった神経から脳に伝わり、その信号を解析しそれが私の自宅の廊下である、と判断が出来るまで数秒の時間が必要だった。
「なぜ私はここにいるのだろう?」その疑問の答えが出るまでにはさらに数秒の時間が必要だった。
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