| 「主体−客体」の関係は、経済では「生産−消費」関係となる。生産と消費は常に主体と客体を入れ替えて再生産の過程を進む。この過程に於いて「自律的な主体」から「絶対的主体」へと転換した「主体」は「客体」に対して絶対的な優越性を保持する。ある一つの「主体−客体」関係の外には、別の「主体−客体」関係があり、それは他の「主体−客体」の問題の外に存在するため、「絶対的主体」は他の「絶対的主体」を制御できないのは自明である。「主体−客体」=「生産−消費」における、異なる「主体−客体」の閾値、若しくは最終限界値は「非和解的対立・紛争・戦争」と言う形式で表される。それは前述のように「絶対的主体」は他の「絶対的主体」を制御できないためである。 一方、いわゆる現存在の「存在」の根源的な条件は、情態性と理解である。この根源に関わる活動こそが「絶対的主体」を制御しうる唯一の手段であると考えられる。
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