| 闘鶏には、2種類の賭け方があります。トリの持ち主AとBが、お互いに相手に勝ちそうだと判断して、試合が成立します。ところが、Aは金持ちで賭け金を3000P用意しているのに、Bは貧乏で500Pしかありません。そこで、友人や親戚が1500P援助します。しかし、まだ1000Pの差額があります。この差額を埋める形で、賭ける事ができます。(アバイと呼びます。)
このとき、賭け金が多いAの側をビサヤ語でイニログ、少ないBの側をビヤと呼びます。
さて、両者の賭け金が揃って、土俵に上がります。相撲でいえば「仕切り」のように見合わせ、相手の鶏に自分の鶏の首筋などを咬ませて、やる気を起こさせます。ここで、好きなほうに好きな金額を賭ける事ができます。マシャドルという人間が取り次いでくれます。彼らの指の動きは、株式取引所の「場立ち」のようです。指と声と顔で、合図します。例えば私がイニログに3000Pを賭けたとき、ちょうどビヤに3000P賭けた者がいなくても、1000Pや500P賭けた人達を合計して釣り合うようにしてくれます。試合が終わった後の精算も、彼らがやってくれます。大勢の客の中からどうして相手を認識するのかが、不思議でたまりません。
会場の賭けが、どちらか一方へ偏る場合があります。例えばイニログに賭ける者は大勢いるのに、ビヤに賭ける者がほとんどいない。会場では大勢のマシャドルたちが「イニログ!イニログ!」と叫んでいます。こんな時は、掛け率が変わります。指で合図するのですが、10:8、4:3、10:7、3:2、10:6・・・とどんどん変わります。適当なところで、試合(タレ)が始まります。
この部分の詳細が知りたい方は、過去ログ「闘鶏の賭け入門」のmasao師匠の解説をお読みください。糞の役には立つかも知れません。
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