| 【ジュネーブ共同=田中寛】中国によるレアアース(希土類)の輸出規制措置をめぐり、日本と米国、欧州連合(EU)が世界貿易機関(WTO)に訴えていた通商紛争で、WTOの紛争処理小委員会(パネル)は26日、日米欧の訴えを全面的に支持し、中国の輸出規制を協定違反と認定、同国に措置の是正を求める報告書を公表した。
パネルは裁判の「一審」に当たり、中国は最終審に当たる上級委員会に上訴する可能性がある。ただ、上級委員会が結論を覆す可能性は低いとみられる。
日本を含む先進国のハイテク産業に大きな影響を与えた中国のレアアース問題をめぐる通商紛争は、提訴から2年で一つの区切りを迎えた。
WTO協定は、資源や環境の保護などが目的でない限り、輸出の数量制限や輸出税を課すことはできないと規定している。
中国は規制について資源や環境の保護が目的だと主張、国内企業を保護する意図はないと反論していたが、報告書は「資源保護が目的とはいえない」などとして退けた。
茂木敏充経済産業相は「一部の資源国の保護主義的な動きをけん制する観点からも大変意義深い」との談話を発表した。
日米欧は2012年3月に共同提訴。中国がレアアースとタングステン、モリブデンの輸出を規制しているのは協定違反だと主張していた。中国の規制はハイテク製品に欠かせない原料の供給網に深刻な影響を及ぼした。
パネルは昨年10月、今回の報告書と同内容の中間報告をまとめていた。
(共同通信)
レアアースを中国に頼ってはいかんちゅうことだ。
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