| 吉本さんの本は、600冊とも言われていますが本当でしょうかね。 単行本から始まり著作集、全集、新書、文庫と重複しているのも含まれていますがかなりの数なのは、確かでしょう。それだけ購買層、吉本ファンがいる証です。 吉本さんの魅力は、類稀なる詩人としての感性が生み出す言葉、表現を駆使した独自の切り口と思考の深さ。 使い古された言葉を嫌って独自の言葉、表現を生むことである種の難解さを読み手に強いているのは、否めませんがそれも吉本流なのでしょうか。 あの時期の難解な著作は、刺激的でしたが詩人としての吉本さんは、もっと評価されても良いと思います。
ぼくが真実を口にするとほとんど全世界を凍らせるだろうという妄想によって ぼくは廃人であるそうだ (「廃人の歌」)
ぼくの孤独はほとんど極限に耐えられる
ぼくの肉体はほとんど苛酷に耐えられる
ぼくがたおれたらひとつの直接性がたおれる
もたれあうことをきらった反抗がたおれる (「ちいさな群への挨拶」)
|