| 今朝のマニラ新聞から
日本人男性が警官姿の3人組に喫煙禁止区域と言われたマニラ空港第2ターミナル到着口前。柱の横は灰皿=10日午後2時半ごろ写す
マニラ空港第2ターミナル到着口前の喫煙コーナーで9日、成田空港から到着した日本人男性(40)=千葉県在住=が喫煙中、警官の制服を着た男性3人に言い掛かりをつけられ、出迎えの車を追跡された後、所持していた財布から現金2万円を強奪された。
日本人男性と出迎え車の比人運転手(27)は同日、マニラ空港内の警察署に被害届を提出した。男性は、日本からの短期出張で4回目の来比だった。
男性と運転手によると、男性は同日午後2時半ごろ、出迎えの車を待ちながら灰皿の前で喫煙中、車に乗った警官姿の3人組に「ここは喫煙禁止区域だ」などと脅された。灰皿の中には他人の吸い殻も入っていたため、男性は3人の話に取り合わず、出迎えの車に乗り込んだ。
ところが、出迎えの車が同ターミナルを出て数分後にナイア、ニノイアキノ両通り交差点で、赤信号のため停車していると、尾行してきた3人組の車が左横に停車。1人が降りてきて、運転席の窓ガラスをノックし、道路脇のガソリンスタンドに入るよう指示した。
ガソリンスタンドに停車した迎えの車の後部に3人組の車も停車。2人が出てきて、運転手に「あの男に問題がある。邪魔するな」と言い、男性を後部車に乗せ、運転手の横には別の1人が乗り込み、運転席の扉の真横には別の1人が立って、運転手を見張るとともに車からも出られないようにした。
後部車の助手席に座らされた男性に対し、運転席に残っていた1人が、「あそこは禁煙区域だ。防犯カメラにも映っている。罰金5万ペソを払え」などと要求してきた。「そんな金は持ち合わせていない」と答えて男性が1千円を払おうとすると、財布を取り上げられ、中に入っていた2万7千円のうち1万円札2枚を抜き取られた。その後、解放されたという。
3人組の車は一般車両用のナンバープレートを付けた白っぽいバン型乗用車で、プレートナンバーは「XEV636」。3人は青のYシャツに紺のズボンという国家警察の制服姿だった。ちなみに同空港を警備する空港警察の制服は、黄土色のYシャツに茶色のズボン。男性と運転手は届け出の際、車のプレートナンバーとともに3人のうち2人の名前を伝えた。制服の胸に名札が付いていたため、名前を覚えていた。
空港警察は10日、男性が言い掛かりを付けられた場所を、禁煙区域ではなく「喫煙コーナー」と確認した。
また被害届を受け取った担当警官は同日、「外国人の被害で多いのは、空港職員や警官、警備員が金を巻き上げる事件。この手の犯行は初めて」と話した。
今後の捜査については、運転手から届け出を受けた犯人2人の名前がフルネームではないため、警官名簿からの割り出しが困難と説明。プレートナンバーからの割り出しも、「手元の控えでは『XE636』となっている」と運転手の証言とは違う控えナンバーを根拠に、比の6桁のナンバーに1桁足りず、運輸通信省陸運局(LTO)に照会しないと話している。
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