| 狗邪韓国から初めて一海を渡ると、千里(約90q)余りで対馬(つしま)国に着きます。対馬国の首長(明治時代の勅任の県知事のようなもの、以下同じ)は卑狗(ひこ)、副首長は卑奴母離(ひなもり)と呼ばれています。対馬国の所在するところは絶海の孤島で、その形は一辺四百里(約36q)余りの方形をしています。山は険しく、森も深く、道路は野性の鹿が通う小道のようです。島には千戸余りの住居があります。島には良い田がないので海産物を食べて生活していますが、不足する米は船で南北の地へ買い入れに行きます。
ここで、始めて海を渡るがその距離千余里で對馬国 (対馬国) に到達する。 その国の大官はヒコ (卑狗) といい、副をヒナモリ (卑奴母離) という。 人々が住んでいるのは、絶島であり、広さはおよそ四百余里四方である。 土地は山がちで険しく、深林が多い。 道路は鳥や鹿のけもの道のようである。 千余戸ある。 良い耕地は無く、海産物を食べて自活してる。 船に乗って南や北に行って米穀を買い入れている。
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